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リハビリ 知らないと損していること

【足の骨折】大腿骨頸部骨折は寝たきりの原因★第3位 折れたら生活はどうなる?

やまざき

【介護相談×作業療法士】 回復期→急性期→訪問リハビリ→老健→デイケア→独立。情報量が人を救う。在宅介護を無理なく継続するには、上手く情報収集するための情報源。『できるんです!』行動に変化起こす介護サポート。

寝たきりにならないように、骨折しないように・・・。

最善の注意を払っていても、ツル・ドテ・ポキっといってしまうのが、足の骨折の横綱【大腿骨頸部骨折(だいたいこつけいぶこっせつ)】です。

 

10年近く病院で働いていると、毎年1月になると大腿骨頸部の骨折患者さんが増えます。特に多いのが、70代女性。

ゴミ出しで、ツルっとこけて・・・

デジャブかと思うぐらいに同じ状況で複数人。入院期間もかぶるので患者さん同士お友達になっている人もいました((笑))

 

 

施設入所中の高齢者も、日頃からフラフラ歩いている人が、ドスン!

カーテン閉めようと思ったらコケちゃったの~

部屋から大きな物音がしてかけつけると、ベッド横で転倒し横たわっていました。老健施設では、年に1~2人がフロアに響き渡る音を立てて転倒され、病院にレントゲンを撮りにいくと、見事にポキっと大腿骨頸部骨折。入院になることがあります。

 

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この記事では、大腿骨頸部骨折後の生活がどう変わるのか。リハビリ専門職目線で解説。

記事の内容

  1. 大腿骨頸部骨折とは
  2. 寝たきりの原因 第3位
  3. 実際にあった骨折2例
  4. 大腿骨頸部骨折で認知症が悪化する理由
  5. 大腿頸部骨折の手術あれこれ
  6. 大腿骨頸部骨折後のリハビリの流れ
  7. 転倒頻回な人へのオススメ対策

 

 

この記事を書いているのは、

やまざき
やまざき

手の専門家 作業療法士なのに歩行練習を沢山する変わり者

リハビリ専門職として病院10年、施設5年の勤務歴で、理学療法士並みに歩行練習を行ってきました。リハビリ拒否のある人や、重度認知症で指示理解の低下している人を担当。

このブログは、在宅介護で苦労している人がすぐ情報収集できるように開設。2022年2月から介護相談×作業療法士#できるんですコンシェルジュを立ち上げ。個別相談はこちら

 

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足の骨折 大腿骨頸部骨折とは

足の付け根、ちょうど丸い球体と棒状になる境目。足の骨のくびれになる部分を、大腿骨頸部(だいたいこつけいぶ)と呼びます。

頸部(けいぶ)← 見たこともない漢字ですが、頚部(けいぶ)と書くこともあります。

 

【豆知識】

首:頭と胴体をつなぐ部分とそこから上の部分(頭)を指す。

頚:頭と胴体をつなぐ細くなっている部分だけを指す。

頸:頚の難しい字体。

※体で頚がつくのは、上腕骨頚部もありますね。

 

 

 

寝たきりになる原因 ベスト3

病気やケガをきっかけに寝たきり生活になることがあります。実際の寝たきりになる原因 ベスト3は以下の通り。

  1. 脳血管疾患
  2. 認知症
  3. 骨折

 

第3位 骨折(内訳は4か所)

寝たきり原因 第3位の骨折。

骨折といっても、人の体には206個もの骨があります。どの骨が折れることで、寝たきりにつながると思いますか?

大腿骨頸部骨折!!

そう、正解です!((笑))

今回のテーマが、大腿骨頸部骨折ですもんね((笑))

 

 

高齢者が骨折しやす場所ベスト4があります。

  • 上腕骨頸部骨折(じょうわんこつ けいぶこっせつ)
  • 橈骨遠位端骨折(とうこつ えんいたんこっせつ)
  • 腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)
  • そして、大腿骨頸部骨折

 

人体の中で一番太い骨である足の骨、大腿骨(だいたいこつ)の骨折は、立つことも座ることも難しくなることがあるため、寝たきりの原因になるのです。

そしてこの大腿骨頸部骨折の一番の原因は、転倒といわれています。

 

大腿骨頸部骨折を詳しく解説

ここからはより詳しく、寝たきり原因となる大腿骨頸部骨折について。リハビリ専門職の体験談を交えて解説していきます。

大腿骨頸部骨折 男女比は?

高齢の女性に多くみられます。出産を経験した女性は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)で骨がもろい状態にあります。歩行中や立った高さからの転倒など、比較的に小さな外力が加わることでも簡単に骨が折れてしまうこともあります。

 

初期症状

通常、鼠径部そけいぶ(足の付け根)に強い痛みが生じ、加えて歩行困難もしくは歩行不能な状態になります。

しかし重度の認知症のかたは、痛みに対しても鈍感になっていることがあります。歩行時に大きな音を立て転倒されても、痛みの訴えが一切なく歩き続けている。でも念のためレントゲンだけ撮りに病院へ行くと・・・

ポキッと折れていた!!

なんてことが実はあります。

 

実際にあった2症例

実録① 病院勤務時に担当した重度認知症の患者さん。

自宅で息子さんと在宅生活を送っている認知症患者さん。

ベッド横で倒れていたけど、特に痛みの訴えがなかったのでそのまま様子を見ていたそうです。でもそれ以降、トイレまで歩けなくなってしまい寝たきり状態に。

ケアマネージャーさんの強い勧めで受診をすると、きれ~いに骨が折れていました。

その後、手術をして人工骨頭を入れましたが、時すでに遅し。数週間の寝たきり期間と、入院という環境変化でせん妄(せんもう)症状が強くでてしまい、積極的なリハビリが行えず車椅子レベルでの退院となりました。

 

実録② すぐに受診して翌日に大腿骨人工骨頭置換術をした患者さん。

軽度の認知症があり、トイレに行った時に転倒。仕事から帰ってきた旦那さんが倒れている奥さんを発見し、すぐに救急車で病院搬送され骨折が判明。目立った腫れもなく、運よく翌日に手術を受けることができました。

翌日よりリハビリ介入をして、まずは平行棒内で立つ練習。3日後には介助が必要ですが平行棒内で5m歩けるように。2週間後には、杖を使ってなんとか家の中ぐらいなら歩けるまでになり、自宅退院となりました。

 

この2名の違いが分かりますか?

お医者さん
お医者さん

大腿骨頸部骨折は、多くの場合が手術になります。全身麻酔が必要で、入院という環境変化もあり、認知症が悪化することがあります。

 

そう。元々の認知症の有無です。

経験上になりますが、元々認知症がある方が全身麻酔や病院という環境変化で、せん妄(せんもう)の症状が強く出ることがあります。

 

せん妄とは

せん妄は、幻覚・幻聴・妄想など意識障害を伴って一過性(いっかせい)で出現します。

一過性なので、通常は数時間から数週間で症状が落ち着きます。そして、その期間の記憶はあまりないそうです。

ですが、このせん妄。元々認知症がある人に起きると、その後も認知症の周辺症状(幻覚・妄想など)が改善しにくいことがあります。そうなると、積極的なリハビリを拒否されたり、歩くことを禁止されている期間にひとりでに歩き出して再転倒されるなど、回復が難しくなることがあります。

 



 

大腿骨頸部骨折の治療

ここからは、実際の治療方法やリハビリ内容について解説します。

手術が一般的

元々寝たきりレベルで、オムツ交換時に大腿骨頸部骨折になった!なんて場合も実はあるんです。この場合は、手術は行わず保存療法を選択することもあります。

しかし一般的には、手術をして再度歩くことができるように治療を行います。手術には、人工骨頭置換術、骨接合術などがあります。

手術の術式によって、立ったり歩いたりできるようになるスピードに差があります。どちらの術式を採用するかは、もちろん医師の判断です。しかし家族から生活様式などを事前に相談して判断材料にしてもらうことはできると思います。

うちの母、これ以上認知症が進むと在宅介護が困難になります。術後早期に歩く練習できる手術の方法があればいいのですが・・・

みたいな(苦笑)

※この辺はデリケートな内容になりますので、個別相談にてお問合せください。

 

なかなか手術をしてもらえない?

ごく稀ですが、大腿骨の骨折と診断がついて入院したのに、なかなか手術をしてもらえないことがあります。私も病院で働いていて「どうして?早く手術してあげたらいいのに。」と思っていました。

 

整形外科の医師に聞いたところ、

お医者さん
お医者さん

もちろん早く手術してあげたいけど、骨折して周辺組織から出血が多いと手術できないんだよ。

 

詳細は、続きを読むとわかります。

大腿骨という人体で一番大きい骨の骨折には、いくつか種類があります。

今回は、高齢者に多い大腿骨頸部骨折について説明していますが、他も簡単にご紹介。骨折の種類は、大腿骨転子部骨折・大腿骨近位部骨折・大腿骨骨幹部骨折など、骨が折れる場所によって名前がついています。

 

大腿骨頸部という場所は、股関節の関節包(関節の袋)に包まれているため、周辺の血管や筋肉を傷つけにくく出血量が少なくなります。

対して、大腿骨転子部骨折は、股関節の関節包がない部分での骨折です。この場合、周辺の血管や筋肉を傷つけ出血量が多くなり、出血性ショックを起こすことがあります。この貧血に対する治療を優先するため、手術を遅らせることがあるのです。

 

なるほど・・・

出血が多い状態で、出血を伴う骨折の手術をするのは危険なんだね。

 

 

おおよそですが、1週間ほどすると体内の出血は吸収されます。骨折の炎症と出血で、患部は大きく腫れあがっていますが、腫れが引いてくるとやっと手術となります。

 

どんなリハビリをするのか

 

手術前や手術中に出血量が多い場合、輸血をされている患者さんもいます。そして、骨折後スムーズに手術を行ったとしても1~2日間の寝たきり期間があります。この状態でベッドから急に起き上がると、起立性低血圧を起こすことがあります。

まずは、ベッド上でリハビリから行います。

骨折して手術だけで大変な思いをしているのに、起立性低血圧でめまいを起こし、また転倒する。そんな事態は防ぎたいので、リハビリスタッフがベッド上で手足を動かし、全身の血の巡りを良くします。

1.関節可動域練習

手術した足の付け根の関節が、どれぐらい動かせるのかをチェックします。

ベッドに足をおろして座ったり、車椅子や椅子に座るためには、足の付け根の股関節が約90度曲がらなければいけません。もし、腫れが引いていないなどの理由で曲げられない場合は、腰を前ずりしてやや持たれかかるような姿勢で座れるように車椅子のセッティングなどを変更します。

2.移乗練習

さて、股関節が曲がることが確認できたの車椅子に座りましょう!

お医者さんから、まだ足は着いたらダメって言われてるんです。

 

足の手術後は、免荷期間(めんか)というのがあります。

お医者さん
お医者さん

骨がくっつくまでは、体重を乗せちゃダメですよ。

 

この期間は、手術をしていない方の足だけで体を支えないといけません。

作業療法士yuki
作業療法士yuki

理学療法士にお任せください!

リハビリスタッフが丁寧に、片足でもベッドから起き上がって車椅子へ乗り移る方法を教えてくれます。手取り足取り。認知症のない、元々自力で歩けていた人なら、数時間ほどでひとりで乗り移りができるようになるので安心してください。

3.平行棒内歩行練習

車椅子に乗れたら、リハビリ室までお散歩です。そしてここから地獄が始まります。

作業療法士yuki
作業療法士yuki

はい、手すりつかまって立ってくださ~い。

はい、今度は歩いてみましょうか~♪

笑顔で厳しいことを言うセラピストだったら、そのスタッフは大当たりです。そのスタッフを信じて、リハビリを頑張ってください。(苦笑)

4.歩行器歩行練習

5.杖歩行練習

6.階段昇降練習

7.独歩練習

8.屋外練習

 

このような順序でリハビリが進み、早い人は 3.平行棒内歩行ができるようになったら退院されるかたもいます。

「外も歩けるようになれないと困る」というかたは、回復期リハビリ病棟へ転院され 8.屋外歩行練習までされる人もいます。

 



 

また転倒して骨折しないか不安

普段から転倒を繰り返していて、またコケて骨折しないか不安という人もいると思います。

そんな人は、市販でも購入できるクッション材を活用されてはいかがでしょうか。

 

今すぐできる対策はないかしら。

以前勤務していた老健で、1日に何回も転倒される方に使用したことがあります。

ガードル型のヒッププロテスター

履くと窮屈な感じがあるので、ワンサイズ大き目がおススメです。

 

 

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