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【データから読み解く】高齢者世帯の移り変わりと要介護5の在宅生活の実態

やまざき

【介護相談×作業療法士】 回復期→急性期→訪問リハビリ→老健→デイケア→独立。情報量が人を救う。在宅介護を無理なく継続するには、上手く情報収集するための情報源。『できるんです!』行動に変化起こす介護サポート。

 

在宅介護は重介助になるほど、家族にのしかかる負担も大きくなります。

 

「本当は別居のままがよかったけど、さすがに介助が必要な状態で一人にしておくわけにいかないし」そんな周りの目を気にして同居を考えるケースもあると思います。

 

要介護者本人が一人暮らしの方が気がラクと言っていても、「要介護5レベルで独居なんて無理でしょ」と同居を始める人も多いと思います。

 

実は、要介護状態等区分の中で最も症状の重い状態である要介護5の人でも、独居生活を継続している人はいます。

要介護5というのは、立ち上がって歩くことも困難で、1日中ベッドで寝たきりの状態です。

 

 

 

今回は、寝たきりレベルの重度要介護者でも独居ってできるの?と思っている人に対して、少しでも参考になる資料になればと思い、この記事を作成しました。

 

 

 

【データから読み解く】高齢者世帯の移り変わり

 

この記事では、日本の要介護者のいる世帯構造などについてのデータを交えて重度要介護者の独居生活について考えていきます。

 

データ分析のイラスト

参考にした資料は、

  1. 国民生活基準調査(厚生労働省)
  2. 家計経済研究所「在宅介護のお金とくらしについての調査」の概要

 

【あわせて読みたい】

国勢調査と国民生活基準調査のちがいを知ろう

 

 

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10年前と今のデータ

毎年実施されている国民生活基礎調査3年毎に介護状態についても調査する大規模調査が行われ、直近では2019年に実施されました。

 

2010年の調査結果

直近データである2019年と比較するために、約10年前の2010年のデータから読み解いていきます。

 

2010年の要介護者等のいる最も多い世帯構成は、核家族世帯で31.4%、2番目に単独世帯で26.1%。3番目は三世代世帯で22.5%と続いています。

 

年次推移をみると、前年度までに比べると「単独世帯」の割合が上昇し、「三世代世帯」の割合が低下しています。

 

 

しかし要介護者のいる世帯分けで、高齢者だけの世帯という割合で見ると47.0%と半数近い高い値になっています。

この核家族世帯の中にも、高齢夫婦や65歳以上の親子で介護をおこなっている世帯が多いことが読み取れますね。

 

老々介護のイラスト(笑顔)

 

要介護度別にみたデータ

さらに掘り下げてみていくと、核家族世帯で要介護者がいる世帯のうち、約20%が要介護2の人。

単独世帯では要支援1が21%で最も多く、要介護度の要支援1から要介護2までの人が独居生活で多く見られます。

 

要介護5の人は?(2010年時点)

今回の記事テーマである、要介護5の重度介護者のデータも見ていきましょう。

2010年のデータで、独居生活を送っている要介護5の人は、3.8%

 

核家族世帯と三世代世帯はそれぞれ8.5%前後なので、独居世帯の3.8%はダントツ低い数値になっています。

 

【用語説明】

要介護者とは:介護保険法の要支援または要介護と認定された者のうち、在宅の人(あくまでこれは今回のデータ上での定義です)

核家族とは:一組の夫婦のみ。または一組の夫婦とその子供。片親とその子供など。

※今回の世帯構成では、単独世帯(独居)・核家族世帯・三世代世帯・その他。この4つで統計をとっているデータになります。

 

 

2019年の調査結果

10年前に比べてデータの量が多くなってわかりやすくなっているので、2019年のデータは少し掘り下げてみていきます。

 

全国の世帯構造(年齢関係なし)

2019年の調査では、65歳以上の高齢者がいる世帯は、全体の49.4%(2558万4千世帯)

 

高齢化社会のイラスト

さすが高齢化社会の日本!

1/2 の確率で家の固定電話に電話すると65歳以上の人がいる。これじゃ子供を装ったオレオレ詐欺も引っかかりやすくなるわけです。

 

65歳以上の世帯構成の内訳をみると、

夫婦のみ世帯は827万世帯(32.3%)

単独世帯は736万9千世帯(28.8%)

あわせて58.1%の65歳以上の高齢者が同居をせずに、自分たちの力だけで生活を継続しているというデータになります。

 

 

要介護者のいる世帯構成

核家族世帯で40.3%、2番目に単独世帯で28.3%。3番目は三世代世帯で12.8%と続きます。

 

介護度別にみたデータ

2019年のデータを要介護度の別にみていくと、単独世帯(独居)では要介護度の低い人が多く、要介護度の高い人は核家族世帯や三世代世帯の割合が高くなっています。

 

要介護5の人は?(2019年のデータ)

要介護5で在宅生活を送っている人の割合は、要介護者のいる世帯全体の約6.1%

 

そのうち単独世帯の要介護5の人は3.5%です。

少数ですが、要介護5で独居生活を送っている人はいるんですね!

 

 

 

要介護者の10年間の変化

全国の世帯総数から65歳以上の高齢者世帯を見ると、この10年で約9%の上昇

470万世帯も増加していることが分かりました。高齢化社会と言われている現状を考えると、当然のデータ結果ですね。

 

要介護者の世帯構成

介護保険を申請している要介護者の世帯構成はどうなのかを見ていくと、面白い結果になりました。

実は、この10年で三世代世帯の割合が10%減少しているんです。

その分は、核家族世帯が約9%も増えて、世帯構造の変化が起きています。

 

核家族世帯が増えているとは言いましたが、先ほどの65歳以上の高齢者世帯のデータからも分かるように、高齢者夫婦、または65歳以上の親子で暮らしている人が大多数です。

 

要介護5の生活状況の変化

在宅生活を送っている要介護5のケースに限定してデータを見ていきます。

 

比較対象としている2010年のデータと並べると、要介護5で独居生活を送っている人は0.3%低下。

あまり変化がないようにも思いますが、要介護5で在宅生活をしている総数は10年前と比較すると7.4%から1.3%ダウンの6.1%です。

 

時代と共に、重度介護者は在宅生活ではない道を選んでいることが伺えます。

 

 

 

要介護5の在宅生活は減少傾向?

年々、要介護5の人の在宅生活の割合が低下していることがわかりましたが、ここからはこの謎を解いていきます。

 

介護保険の制度が開始したのが2000年

その後、2015年4月に特別養護老人ホームの入所基準が変更され、原則要介護3以上の認定を受けた人が入所対象となりました。

 

 

 

つまり要介護3以上の人は、在宅介護を卒業して特養に入所している人が多いのかもしれません。あくまでもデータから読み取る憶測ですが。

 

 

 

 

まとめ:いつまで独居生活が可能なのか

いろんな方面からデータを読むことで、過去から現在の移り変わりを学ぶことができました。

では結局「いつまで在宅生活が送れるのか」という疑問が湧いてきます。

 

要介護5で独居生活を送っている人は、10年前と比べると0.3%の減少。さほど需要もなければ、独居でなくてはいけない状況もあるので割合は変化していないのだと思います。

 

つまり、金銭面や環境によっては要介護5であっても独居でなくてはいけない人は、どの時代も一定数いる。

ただし、要介護3になったら特養を申し込んで、要介護4になるころには施設入所するというのが一般的な傾向であることがデータから読み取れました。

 

いつまで在宅生活を送れるかは、あくまでも個人差があります。

いくつまで・どの要介護レベルまで、などといった答えは出せません。しかし、在宅生活を継続するべきか、施設入所を考えるべきかの判断基準が欲しいですよね。

今後は、そのような記事も書いていきたいと思っています。

 

 

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