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リハビリ

職人気質の間質性肺炎【家族心理が痛いほど分かる作業療法士からの指導】

 

 

肺炎といっても、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)、間質性肺炎(かんしつせいはいえん)など、肺に炎症が起きる場所や原因によって種類が分けられます。

今回は間質性肺炎のリハビリについて、訳ありリハビリ作業療法士が患者さんに説明するように、専門用語を極力使わすに解説します。

 

 

肺と言われて、『ハイ、肺とは・・・』とすぐに説明できますか?

【肺の働きについて】近日、公開予定!

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まずは、どんな人に間質性肺炎という病気が多いのか。その人柄や生活習慣などを理解したうえで、リハビリ内容を組み立てます。

 

 

 

間質性肺炎、どんな人に多いのか

 

50歳以上の男性に多く、一般的に喫煙が関与していると言われています。喫煙が必ずしも原因とは言い切れませんが、危険因子であることは変わりないと思います。

 

喫煙を続けて肺の機能が低下したら、在宅酸素療法を受けることになります。この在宅酸素療法は、管に繋がれ辛い生活に激変します。

 

在宅酸素療法を行う生活になったら?費用はいくらかかるのか。

肺炎重症化させないためにタバコを禁煙!どんな未来があなたを待っている?

 

 

頑固者が間質性肺炎になりやすい?

タバコを止めた方がいいと周囲から注意されても、なかなか止められずに喫煙を続けた人に多い印象があります。つまり『頑固者』に多い。

 

タバコの喫煙が発症の原因と言われている呼吸器系の病気に、慢性閉塞性肺疾患(まんせいへいそくせいはいしっかん)があります。こちらも、間質性肺炎と同様に、重症化すると在宅酸素療法が必要になります。

この2つの病気の患者さんは、建築関係の「職人気質」の人が多かったです。

 

職人気質とは:

職人気質とは、職人社会に特有の、自分の腕に自信を持ち、頑固だが実直といった気質の人を指す言葉です。

 

この職人気質の人は、一筋縄ではいきません(汗)

人からダメと言われると、頑固になってしまいます。自分が良いと思ったことしか受け入れてくれない。悪いと思っていても認めない。もう本当に・・・・はっ!実は私の父も職人気質がとても強い頑固な困った人です。

1日2箱のタバコを吸って、お正月には日本酒の一升瓶をひとりで飲み干してしまう、そんな父です。肺がんになり、食道がん、胃がんと、癌を繰り替えしていますが、なんとか健在。

手術をして、やっと事の重大性が分かり禁煙してくれるようになりました。家族からの説得には一切動じない父に本当に苦労しました。

 

そんな職人気質の頑固父を持つ作業療法士の私が、頑固者の間質性肺炎の患者さんでもできるリハビリ内容について説明します。

 

 

間質性肺炎のリハビリ

  • 運動療法
  • 呼吸療法
  • 息切れを軽減させる動作の工夫
  • 呼吸困難時の対処方法
  • 肺痰手技など

このようなリハビリ内容が一般的に挙げられるものです。

 

軽度の間質性肺炎のリハビリ・・・とはいうものの

まあ軽度の時は、本人も自覚が薄いのでリハビリの必要性を感じず、なにも行動変化を起こせないのが通常です。

「リハビリ」という内容ですが、どちらかと言ったら家族の声掛けの仕方を工夫した方がいいかもしれません。

 

 

【 悪い例 】

ゴホゴホ。最近、咳が続いて辛いんだよな・・・。

も~お父さん、たばこの吸い過ぎだってば!

そんなに咳が辛いなら禁煙したらいいのに。

こんな言葉をお父さんの前で言ってませんか?

 

家族は心配して父親に注意しているつもりでも、これじゃ悪循環です。私も父にこの言葉を多用しすぎて、結果、父はイライラしてタバコの本数が余計に増えちゃいました・・・。

 

 

【 良い例 】

体を動かしても疲れない体にするには、たばこの量を減らすといいらしいよ~。近所の人も禁煙してから元気そうだよねぇ~。

 

へ~そうなんだ。(心の声)最近しんどいのはタバコのせいだったのか。

主語を「お父さん」から「第三者」に変更。これだけで聞く耳を持ってくれます。

 

 

実は、本人が一番不安でどうしたらいいのか心配だったりするんです。私の父も、職人気質で頑固者ですが、根は家族想いで心配性。そこで、喫煙という行動を責めることなく、遠回しに解決策を提案してサポート。

すると、すこ~しだけタバコの本数が減ると思います。まずはそこからリハビリしていきましょう。

 

 

驚きの事実『タバコが体に悪いと本気で気づいていない』

職人気質の人は、若い10代から職人の世界に飛び込み、喫煙とお酒の時が唯一親方と親しくしゃべれるタイミングだったりするんです。そして、辛く悩むときにずっとそばにいてくれた相棒のような存在。

そんなタバコが実は自分の体をむしばんできた悪党だとは、本気でこれっぽっちも思っていない。そんな人に「タバコは悪」と伝えても理解してもらえない。時間の無駄なので言葉で説得するのはあきらめましょう(苦笑)

 

 

 

軽度の時は高負荷トレーニング

間質性肺炎などの呼吸器疾患では、呼吸苦がさほど辛くない時期には、肺の機能を低下させないためにも高負荷のトレーニングを行います。

自転車をこいだり、軽くランニングしたり、階段を上り下りしたり。

 

職人気質の人の場合

仕事に対しても真面目なため、呼吸が少し辛いぐらいでも仕事を休みません。恐らく現状でもオーバーワークなぐらいに体を酷使していると思うので、そのまま様子見で良いと思います。

 

ただし、食事面は気を付けてあげてください。

呼吸が苦しい状態で体を動かしていると、消費するエネルギー量が増えます。気が付いたら頬がコケるぐらい痩せて体重が軽くなっていることがあります。

 

 

 

重症化している間質性肺炎のリハビリ

重症になると、床から立ち上がっただけでも息苦しくなり動けなくなります。受診すると医師から、酸素療法や栄養状態を十分に検討して取り組むように指導が入ります。

 

少しすごくだけでも呼吸苦が生じるまで重症化したら、恐らくタバコも吸いたくても吸えなくなっています。

リハビリでは、ベッドの上で出来るストレッチや、呼吸するときの胸の動きを手助けする呼吸介助法などのリラクゼーションを行います。

 

家族に出来ること

職人気質の本人でも薄々「喫煙が原因だったんだろうな」と気づき始めた頃です。

 

いまさら???

あれだけ言ったのに!もう知らない!!

 

怒りたくなる気持ち、分かります。

でも本心ではきっとないですよね。

元気なお父さんで居てほしいって気持ちは捨てきれません。それが家族というもの。。。私もそうでした。

 

呼吸苦が辛くないように環境調整

  • ベッド導入
  • コタツなら座椅子使用、出来ればテーブルと椅子の生活
  • 風呂場に座面高めのバスチェア
  • お湯は溝おちの高さまで

日常生活の動作を安楽に行える工夫をしてあげてください。

 

 

 

 

息苦しい。間質性肺炎かもと思ったら

ここまで、職人気質の呼吸器の病気について・家族の対応方法などについて解説してきました。

 

間質性肺炎であると発見され診断される時は、インフルエンザなどの高熱が出る感染などをきっかけとした受診時が多いです。

血液検査がレントゲン検査にて見つかる時には、すでに重症化。すぐに治療開始しても、症状が進行している場合や急激に症状が増悪することもあります。患者自身や家族が状態を受け入れるのが難しく、精神面のフォローが必要なこともあります。

 

早く見つけることが命を救う

職人気質の人は、本当に病院に行ってくれません。熱が出て本人のメンタルが弱っている間に、無理やりにでも病院に連れていくことが早期発見・早期治療になります。

難しいとは思いますが、チャンスは一度きりです。うまくいくことを願ってます。

 

 

 

 

 

今から始めよう、間質性肺炎対策

  • 禁煙
  • 過労・睡眠不足などの負担を減らす
  • 体重の維持(過食・体重増加が呼吸困難を増す)
  • 感染予防(うがい手洗い、インフルの予防接種)

 

ありきたりな内容ですが、この当たり前と思う行動が命を救います。

 

 

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  • この記事を書いた人

やまざき

【介護相談×作業療法士】 誰かの介護解決のキッカケに☆ 『できるんです!』行動に変化をおこすお節介コンシェルジュ 急性期リハ・回復期リハ・訪問リハ・老健・デイケアなどを経験。

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