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介護保険 知らないと損していること

国が出しているQ &A【排泄予測支援機器】について詳しく知りたい

2022年4月に特定福祉用具販売の内容が一部変更になりました。
一番大きな変更点は、排泄予測支援機器が購入対象に追加になったこと。

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2022年4月から排泄予想支援機器が対象?それってどうゆうこと??

4月から特定福祉用具販売に追加になった【排泄予測支援機器】、実際にお試しになった人はどれぐらいいるのでしょうか。

恐らくまだ1%にも満たないと思います。

なぜなら、国の示す給付対象になるケースはごく狭い枠だからです。

「なんか良さそう」という、安易な気持ちでお試しできるような福祉用具ではないみたいです。
残念ながら・・・

厚生労働省が実際に提示しているQ &Aをもとに、

どんな人が対象となり、どんな人は対象とならないのかをこの記事では解説してきます。

介護保険制度の福祉用具・住宅改修に係るQ &Aについて

令和4年4月1日より適用となった【特定福祉用具販売の排泄予測支援機器の給付、その他の福祉用具や住宅改修】について。

Q &Aが厚生労働省から発表されていることを知っていますか?

この通知内容に沿って、各都道府県の役所職員や、販売業務を行なっている特定福祉用具販売業者などが、利用者への販売が可能かを検討したりします。

つまり、この通知された内容は、とても重要であるということです。

内容を理解して、利用対象であるかどうかの判断をする参考にしていただければと思います。

ここからは、厚生労働省からの通知内容を噛み砕いて解説していきます。

Q1. どんな排泄予測支援機器が対象となるのか

通知機能付きの排泄予測支援機器が対象とされていますが、実はさらに細かい指定があります。

専用アプリにBluetooth(近接通信機能)で通知が可能であるもの。

これに該当するのは、実は1社のみ。

排泄予測機器「Dfree」

数年前から、膀胱内の尿量を測定して排泄援助を試みる動きはありました。
しかし数年経つにも関わらず、1社しか商品化しておらず競合他社がないのは不自然な気がするのは私だけでしょうか。

もちろん素晴らしい商品であり、今後トイレ自立の後押しになると思っています。
が、裏があるような気がしてなりません。これはあくまでも個人的な見解です。

Q2. 独居の人でも利用可能なのか

給付対象になるには、条件があります。

トイレでの自立した排泄が期待できる場合は、独居でも利用は可能。

使用方法については以下のような方法が考えられます。

  • 自らセンサーを装着して排尿の機会を知らせることで、適時にトイレに移動し排泄を促す。
  • 介助者が通知を見て排泄の声かけやトイレ誘導を行い、本人の排泄を促す。

つまり、独居で①に該当する人は、排泄予測支援機器の利用対象になるということです。

Q3. おむつ使用者でも対象になるのか

排泄動作が「介助されていない(自立レベル)」または「全介助(ベッド上でのおむつ交換など)」の場合は、排泄予測支援機器の利用が想定しにくいとされています。

しかし例外があります。

医師の意見書や他職種との検討の上で、トイレでの自立した排泄が期待できる場合は利用対象となります。

ベッドでのオムツやパットの交換をしている状況の人は、トイレまでの移動手段の獲得が難しいことが想定されます。
そのため排泄予測支援機器の利用対象は、非該当になる可能性が高いでしょう。

Q4. 購入前に、あらためて医師所見などの確認が必要か

現段階で排泄予測支援機器を介護保険サービスを利用して購入する場合、いくつか事前にチェックが必要となっています。

そのうちの一つに、

医学的な所見の確認があります。

以下のいずれかの方法により、既に確認をしたことがある場合で、状態もおおむね変化がない場合は改めての確認は不要。

  • 介護認定審査における主治医の意見書
  • サービス担当者会議などにおける医師の所見
  • 介護支援専門員などが聴取した居宅サービス計画などに記載する医師の所見
  • 個別に取得した医師の診断書 など

排泄予測支援機器の購入のためには、必ず医師の意見が必要になります。

医師によっては、排泄予測支援機器についての知識が薄い先生もまだまだいます。

意見書などを依頼する場合には、知識豊富なケアマネージャーさんを味方につけてアドバイスをいもらいながら進めると良いかと思います。

Q5. 失禁によるオムツ交換のタイミングを把握するために利用できるのか

排泄予測支援機器は、トイレでの自立に向けた排泄を促すことを目的として給付対象となっています。

そのため、このような特記があります。

常時失禁の状態の利用者に対して、オムツ交換の時期を把握するために排泄予測支援機器を利用することは適切でない。

トイレに行って排泄を促すための機器なので、いつも失禁していてオムツやパットを交換するためだけに使用するのはダメってことですね。

逆を返せば、

医師から所見をもらう時に「今は失禁が多いので、トイレへ行くタイミングを図るために使用したいです」と伝えれば、おそらく購入対象になると思います。
ものは言いようですね。

Q6. 自動排泄処理装置をレンタルしている人は、排泄予測支援機器を保険給付対象で購入できるのか

自動排泄処理装置とは、尿や便を自動的に吸引して処理する機器です。

このような機器を介護保険でレンタルすることが可能です。

この機器をレンタルしている人は、ベッドで寝たきりでオムツ交換の動作が困難である人が予測されます。
そのため、この自動排泄処理装置をレンタルしている人は、トイレ自立を目的とする排泄予測支援機器の給付対象にはなりにくいことが予想されます。

ですが、絶対に対象にならない!というわけではなく、状態や目的に応じて検討する余地はあると回答されています。

Q7. 要支援や要介護4や5の人でも給付対象になるのか

杖やベッドなどは、介護保険の等級によってレンタルや購入できる福祉用具が異なります。

排泄予測支援機器は、トイレでの自立した排尿を支援するもののため、介護保険の等級で制限があるのか気になるところですね。

回答としては、

介護保険の等級には関係なく、排泄予測支援機器を使用することによって自立した排尿が期待できる場合は給付対象。

介護保険の等級に関係なく、その人がトイレ自立に向けて必要であれば対象になるということですね。

Q8. 特定福祉用具販売事業所が販売するときに注意することは何か

介護保険の給付対象となる排泄予測支援機器の留意事項について、何点か明記されています。

多くは、利用者に対して適切な指導を行うことが求められています。

特定福祉用具販売事業者が事前に確認すべき事項

  • 利用者の目的を理解して、トイレでの自立した排尿を目指す意志があるか
  • 装着することが可能か
  • 居宅要介護者やその介助者等が通知を理解でき、トイレまでの移動や誘導が可能か

販売する業者は、事前にこれらを確認することが求められています。

この3点についてQ &Aではさらに詳しく明記されています。

  • 排泄予測支援機器はトイレでの自立した排泄を促すことを目的としており、失禁をなくすものではないことを理解していること。
  • 製品によっては体格や体質により装着が困難な者もいるとされていることから、製品の特徴等を十分に説明した上で、装着後の状況等を聴取すること。
  • 通知を受信するスマートフォン等の使用に慣れており、通知を確認・理解することができるか。また、使用前の介護状況を確認し、居宅要介護者等主に過ごしている居室等からトイレまでの介助方法や時間等を確認すること。
  • また、必ずしも販売にあたり試用は要件ではないが、2と3を確認するためには一定期間の試用が望ましいこと。継続した利用が困難な場合は試用の中止を助言すること。

このような回答がなされています。

つまり、販売業者は売って終わりではなくて、その後も継続して排泄予測支援機器を使用できているのかを見守る役割があるということです。

Q9. 福祉用具購入費申請の審査において、どのように給付対象であると把握するのか

申請の際には市町村にいくつか書類等を提出しますが、その内容に応じて給付対象かどうかを判断されるようです。

いちばんの判断材料になるのは、やはり医師の所見と思われます。

提出を求められる書類は以下の通り

  • 必要事項が記載された申請書
  • 領収証及び当該特定福祉用具のパンフレットその他の当該特定福祉用具の概要を記載した書面
  • 医学的な所見がわかる書類

※試用状況等の確認に際して、特定福祉用具販売事業所等が整理した別添の確認調書のような書類があれば、市町村は必要に応じて利用者に対し提出等を求めることができます。

まとめ

2022年4月より給付開始となった、排泄予測支援機器についてのQ &Aについて説明してきました。

詳細を読んでいると、給付対象となる人には条件がいくつかあることがわかります。

ネット上では、この排泄予測支援機器を活用して介護負担を軽減できるという意見がいくつか見られています。

しかし、厚生労働省からのQ &Aを見てもわかるように以下のケースは非該当となる恐れがあるので注意が必要です。

  • 睡眠中のパット交換のタイミングをはかるために使用する→ ✖️
  • 認知症や失語症などでトイレへ行きたいと表出できない人が使用する→ ✖️
  • 失禁後のオムツ内のムレを改善し褥瘡(じょくそう)を予防する→ ✖️
  • 頻尿によるトイレ回数を制限するために使用する→ ✖️

今後も役立つ情報を記事にしていきたいと思います。

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  • この記事を書いた人

やまざき

【介護相談×作業療法士】 誰かの介護解決のキッカケに☆ 『できるんです!』行動に変化をおこすお節介コンシェルジュ 急性期リハ・回復期リハ・訪問リハ・老健・デイケアなどを経験。

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