今回のお題は、
尿路感染症ってよく聞くけど、どんな病気?
重症化すると入院することもある病気です。
入院したことのある80歳以上の高齢者は、一度はなったことがあるのではないでしょうか。
一度入院すると、なかなか退院できない原因の一つでもある【尿路感染症】について、専門用語を使わず分かりやすくご説明していきます。
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尿路感染症とは
尿路(つぎで説明)に細菌が住み着き、それが増えることで炎症がおきた状態を指します。
感染した場所によって、【腎盂腎炎】と【膀胱炎】に分けられます。
膀胱炎(ぼうこうえん)ってよく聞くけど、尿路感染症の一つだったのね
尿路とは
尿は腎臓(じんぞう)で作られ、腎盂(じんう)という部屋に集められます。そして尿管という尿が通る管をとおって膀胱(ぼうこう)にたまります。
この一連の通路を、尿路といいます。
尿路感染症の症状とは
さきほど、尿路感染症といっても2種類あることをご説明しました。
まず、
膀胱炎での症状
排尿痛:尿をするときに尿道や膀胱に痛みを感じる
残尿感:尿をした後も尿が膀胱に残っている感じがする
頻尿:トイレが近い
尿混濁:尿がにごる
発熱はないことが多い
炎症が非常に強くて、尿に血が混じっていることがある
腎盂腎炎での症状
背中側の左右(腎臓の位置)に痛みがある
38℃以上の発熱がある
炎症がひどいと尿に血が混じることがある
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ここからは、さらに詳しく学んでいきます
膀胱炎とは
細菌が尿道の出口から侵入し、膀胱に達して炎症したことを膀胱炎といいます。
男女差でいうと、女性がなりやすい傾向にあります。
【急性単純性膀胱炎】
急に熱がでて、尿路に他の病気がない、膀胱炎だけを発症する状態を指します。
この急性単純性膀胱炎は、外来治療で治ることが多いです。
単純があるということは、複雑もあります。
【慢性複雑性膀胱炎】
徐々に発病して最初の症状は、あまり強く出ないことがあります。
また、尿路に結石や癌などの他の病気が同時に起きている状態を指します。
腎盂腎炎(じんうじんえん)とは
膀胱炎は、尿の出口から膀胱までで生じる炎症でしたね。
腎盂腎炎は、さらにその先。
膀胱の細菌が尿管をさらに上に登って、腎臓に達して増殖することをいいます。
【急性単純性腎盂腎炎】
急に熱がでて、尿路に他の病気がない、腎盂腎炎だけを発症する状態を指します。
【慢性複雑性腎盂腎炎】
尿路閉塞が強く、高熱が続くときは入院になることがあります。
重症化すると、腎瘻造設(じんろぞうせつ)などの外科的対応が必要になることも。
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治療経過
細菌を殺すために抗菌薬が処方されます。
ちなみに、この時に出されたお薬は、
『症状が良くなってきたから途中で飲むのをやめちゃおう』なんてことは絶対にしないでください!
菌を殺しきるまでお薬を飲まないと、またすぐに再発することがあります。
抗生剤や抗菌剤は、
必ず回数を守って飲み切ってくださいね
治療期間は、
おおよそですが、
膀胱炎で3日間
腎盂腎炎で7~14日間
退院のめどは、
- 熱が下がっている
- CRPという血液検査の結果がよい
- 尿検査の結果がよい
複数の検査結果を踏まえ、主治医が判断します。
日頃から気を付けておくこと
- 水分をよく飲む
- トイレを我慢しない
たったこの2つだけで、細菌の逆流を予防することが出来るかもしれませんよ。
以上のことを気を付けていても、なかなか改善しないときは、精密検査などの依頼をしてもいいかもしれませんね。
痛みや熱は、体からの黄色信号です。
隠れた病気を早く見つけましょう。
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