前回、老健についてその役割をご説明しました。
介護老人保健施設でのリハビリ内容について
具体的なリハビリ介入量や内容についてご説明していきます。
まず、介護老人保健施設(以下、老健)を初めて知った方もいると思うので、簡単に説明をすると・・・
老健は、病院と自宅の中間地点という立場で運営されています。
他の特別養護老人ホームや有料法人ホームに比べて、
- 医師(施設長)がいる
- 常駐の看護師がいて医療的ケアが受けられる
- 専門的なリハビリスタッフによる個別リハビリ対応がある
- 車椅子などの福祉用具は施設で用意してくれる
- 介護保険の認定が下りていないと使用できない
- 費用が他の施設に比べて安い
などの違いがありますが、費用については決して勘違いしないでください・・・
老健の費用が安いのは、7~9割の介護報酬
(簡単にいうと税金)で運営しているから、他施設より安いのです。
という、恐ろしい事実を知っておいてください。
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では、老健のリハビリについて・・・
入所から3か月間は、短期集中的リハビリ
初めて老健へ入所された方や、一定期間 老健を離れていた方は、
3か月間 週5回程度 1日約20分程度の個別リハビリを受けることが出来ます。
1日たったの20分だけ???
そう思われた方は、急性期や回復期リハビリ病院でのリハビリ経験があるのかもしれませんね。
発症から間もない病院の入院患者さんは、疾患(しっかん)別リハビリといって、これまた国から医療報酬が出て格安でリハビリを受けることが出来るんです。
しかも病院でのリハビリの場合は、やったらやった分だけリハビリ代を請求できるので沢山リハビリをしてくれるのです。
※もちろん、受傷後すぐは回復への伸びしろが大きいのでより集中的にリハビリを行うメリットがあるからなので、病院でのリハビリはぼったくりだ!なんて誤解のないようにお願いします(汗)
1回20分のリハビリを保険適用外で自費負担すると・・・
医療機関で保険適用でリハビリ出来る期間は決まっています。
脳梗塞などの場合、おおよそ180日間(約6か月)
骨折などの場合、どんなケガであってもおおよそ150日間(5か月間)
それ以降は、医療保険が定期用されずに自費負担になっています。
自費負担でリハビリを受けると、いくらするのかしら・・・
知ってますか?
こたえは、
1回20分と想定して、約2000円ほどです。
なんだ、それぐらい?と思いましたか??
効果を出すためには、週3回程度の継続的なリハビリが必要になります。
20分2000円 × 週3回 = 6,000円
6000円 × 4週間 = 24,000円
たった20分間のリハビリでも、月に24,000円もするの???
そうなんです。リハビリって意外と高いんです(涙)
なので、老健でのたった20分のリハビリが週5回だとしても、介護保険を使って低価格で受けられるのはお得だと思ってきました?
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入所から3か月を過ぎると、個別リハビリに変更
入所3か月は、週5回程度のリハビリが受けられていました。しかし、入所から3か月が経つと、
週3回程度 1日約20分程度の個別リハビリとなります。
回数が、5回→3回 減ってしまうんです
これまた『それぐらい』と思うかもしれませんが、
例えば、毎日リハビリの時だけ装具をつけて歩く練習をしていた方が、週3回の歩行練習に減ると確実に筋力を維持するのがやっとのレベルで、機能向上はやや難しくなります。
では、なぜ国はある一定の期間を過ぎると、医療も介護も見捨てるかのようにリハビリを出来なくさせるのか。それは・・・
リハビリを受けられる期間が決まっている理由
自論。患者さんが知らない事実!リハビリに期限がある理由。
今回はお話が長くなるので、こちらからどうぞ^^
老健でのリハビリの質は???
次に、老健の入所契約時によく言われる、
老健では、病院のようなリハビリは出来ません。
という決まり文句のように言われている言葉です。
個人的に、この言葉は大っ嫌いです。でも、事実でもあります。具体的な内容については、また別のページでご説明させてください。