介護保険で介護福祉用具などのレンタルを検討するときに見る言葉【特定福祉用具販売】
特定福祉用具販売??
たまに目にする言葉だけど、「これってどーゆこと?」と思っていませんか。
今回は、この【特定福祉用具販売】という言葉について、リハビリ作業療法士がわかりやすく解説していきます。
特定福祉用具販売ってナニ?
『販売』という言葉がついていることからも、レンタルではなく、買うことを指しているのが分かるかと思います。
対象となる人
誰でも利用できる制度ではないので注意!!
以下に該当する場合に申請が可能です。
- 介護保険制度で、要介護・要支援の認定を受けた人が
- 対象品目の購入に対して
- 都道府県から指定を受けた特定福祉用具販売事業所から購入したものに限り
- 国から購入費の9から7割の給付を受けることができるサービスです。
購入対象となる福祉用具
厚生労働省が定義している【特定福祉用具販売】について
厚生労働省で、以下の種目で決められています。
「厚生労働大臣が定める特定福祉用具販売に係る特定福祉用具の種目及び厚生労働大臣が定める特定介護予防福祉用販売に係る特定介護予防福祉用具の種目」について
(平成11年3月31日)
大きく分けて6つあります
・腰掛け便座
・自動排泄処理装置の交換可能部品
・入浴補助用具
・簡易浴槽
・移動用リフトの吊具部分
・排泄予測支援機器(こちらは2022年4月より追加)内部リンク
給付金ってナニ?
難しい書類などを見ていると【給付金(きゅうふきん)】という言葉が出てきます。
みなさん言葉の意味を理解していますか?
私は、つい最近まで理解していませんでした(苦笑)
給付金:国や地方自治体が個人等に支給するもの
適応する制度に対して自ら申請書類などを作成し市区町村に提出(申請)し、その条件を満たせば一部または全額を市区町村(国)からお金をもらえるということです。
似た言葉に、【補助金】【助成金】などがありますが、これは企業を対象としている時に使用する言葉です。
特定福祉用具販売の給付金
先ほど説明したように、介護保険を活用してある特定の福祉用具を購入する時に、申請した人に対しては市区町村から購入費用の一部をもらうことができます。
一体、いくらぐらい給付金をもらえると思いますか?
特定福祉用具販売の給付金は、1年間(4月から翌年3月まで)に10万円まで
- 支給額は介護度による変動なし
- 購入費のうち、負担割合に応じて1〜3割を支払い
- 10万円を超えた金額が全額自己負担
例1:上限10万円以内のとき
要介護1の人が、便座からの立ち上がり困難のため、便座に5センチの補高便座を15,000円で購入した場合
1割負担なら1,500円の支払い
3割負担なら4,500円の支払いで購入することができます。
例2:上限10万円以上のものを購入するとき
要介護3の人が140,000円の高機能ポータブルトイレを購入する場合
1割負担なら、給付金上限10万円の1割である1万円+上限超えの4万円=5万円
3割負担なら、給付金上限10万円の3割である3万円+上限超えの4万円=7万円
3割負担の人でも、介護保険を使用せずに購入する場合の、約半額で購入することができるということです。
これは介護保険制度を使わないと損ですよね。
ただし、気をつけてほしい点が1つあります。
購入費用は1〜3割で良いのですが、支払いはいったん購入費用の全額を業者に支払う必要があります。
これを【償還払い】と言います。
もし、まとまった金額を用意するのが難しい場合は、【受領委任払い】という方法を相談して見てください。
【受領委任払い】初めから購入費用の自己負担分(1〜3割)のみ事業者に支払えばいいようになります。
特定福祉用具販売の給付金を申請する方法
介護保険を申請したら大半の人には、担当のケアマネージャーがつきます。
そのケアマネージャーを通して特定福祉用具販売事業所との契約になります。
もちろんケアマネージャーを通さずに、自分で申請を行うことも可能ですが注意が必要です。
給付金の申請を行うためには、特定福祉用具販売業者を通して給付対象である福祉用具を購入しなければいけません。
特定福祉用具販売事業者とは
福祉用具販売業者の前に【特定】と付くのは、都道府県から指定を受けている業者を指します。
つまり、この【特定福祉用具販売事業者】から購入しなければ申請を受けることはできないので気をつけてください。
ケアマネージャーを通して購入する場合は、その点を気にする必要はないと思いますのでご安心ください。
購入から受給までの流れ
- ケアマネージャー等に相談して購入製品を決める
- 特定福祉用具販売事業所で製品を購入
- 申請書等必要書類をそろえて、市区町村の高齢者福祉課などに支給申請
- 後日、指定口座に給付額が振り込まれる
ケアマネージャーを通して福祉用具を購入する際には、決められた中から選択するように勧められ、必要書類なども業者とやり取りして用意してくれます。利用者とその家族はほとんど気にすることはありません。
強いていうなら、先ほど説明した支払い方法について、全額を支払わずに最初から自己負担分だけの支払いで対応してくれる【受領委任払い】にしてください!と伝えることぐらいかと思います。
これを伝えないと、基本は償還払(全額を払ったのちに給付金分を口座に振り込み)の対応となってしまいます。
申請時に必要な書類
・「介護保険居宅介護(予防)福祉用具購入費支給申請書」
・領収書の写し
・購入した福祉用具とその定価等が分かるパンフレットなどの写し
・浴槽・浴槽簀を購入した場合は、実際に購入した大きさが分かる資料(図面や見積書の写しなど)
まとめ
ここまで介護保険を申請している人向けに、特定福祉用具販売について説明していきました。
介護保険の申請だけをして担当ケアマネージャーが決まっていない場合など、自分で在宅介護支援センターや特定福祉用具販売事業所へ連絡して購入することも可能です。
しかし、申請書等の必要書類をそろえたりと、個人で契約すると若干面倒になるので時間と体力が必要になります。
要支援や要介護の認定を受けていない人であっても、介護福祉用品を購入することは可能です。
ただし国からの補助金10万円は出ずに、全額自己負担となります。
福祉用具購入を検討していて、1〜3ヶ月ほど時間的余裕がある人でしたら、
市区町村に介護保険の認定調査を依頼して見ても良いかと思います。
認定結果が出なくても、とくにペナルティーなどはないので、検討してみるのも良いかと思います。
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